AD統轄メンバーインタビュー:A.T
開発途上国を支えたいとの志を胸に、国家公務員からアドバイザリーに転じる。
A. T
有限責任あずさ監査法人
アドバイザリー統轄事業部
パブリックセクターアドバイザリー事業部
マネジャー
2024年入社
Profile
新卒で外務省に入省し、主に中南米外交、ODA政策に携わり、約14年間キャリアを積み上げる。その間、2度の産休・育休を取得。自らの専門性をさらに磨きたいとの思いから転職に踏みきり、2024年にあずさ監査法人へ。パブリックセクターアドバイザリー事業部で国際開発支援領域のアドバイザリー業務に携わる。5歳と2歳の子供がおり、休日には家族でキャンプに出かけたり、公園でピクニックを楽しんだりしている。
キャリアチェンジに遅すぎることはない
私が14年間勤めた外務省を退職して民間のコンサルティングファームに転職することを決めたのは、自らの専門性をもっと磨きたいという思いからでした。中央省庁のキャリア職員は約2年ごとに異動を繰り返すことでゼネラリストとして育っていくことが一般的で、私も本省や大使館での勤務、国際機関への出向などを通じて、中南米外交やODA政策に携わってきました。業務自体は非常にやりがいがあり、日本と世界への貢献を実感しながら取り組んでいました。一方で外務省の仕事は政策立案等のいわゆる上流の業務であり、大所高所からの視点で取り組むことが求められました。もちろんそれ自体はとても大切なことであり、また非常に意義深いことではあるものの、次第に「国際開発支援の現場についても理解を深めたい」「ゼネラリストとしてよりも、もっと専門性を磨きたい」という気持ちが強くなっていったのです。2人目の子供が生まれ、仕事と育児のバランスのためにライフスタイルを見直さなくてはならない時期だったことも、転職への思いを後押ししてくれました。
転職先としてあずさ監査法人を選んだのは、フィーリングが合ったという表現が最も適切だと思います。当時は、コンサルティングファームは競争の激しい世界で我の強い人材ばかり、という先入観があったのですが、あずさ監査法人はその逆で、非常に穏やかな空気が流れていることに惹かれました。高い専門性を有する人材が互いに協力し、支え合っているように感じたのです。
「14年も積み上げてきたキャリアを捨てるなんて」と案じてくださる方がいなかったわけではありませんでしたが、この先20年、30年の仕事人生を考えれば、むしろ今がキャリアの方針転換に最適のタイミングと感じ、迷うことはありませんでした。
確かな手応えを感じながら、1歩ずつ
KPMGではグローバルで国際開発支援サービスに力を入れており、私の所属するパブリックセクターアドバイザリー事業部の国際開発協力のチームも、その一翼としてアドバイザリー業務を手がけています。とはいえ担当する領域について組織内に明確な線引きがされているわけではなく、私自身は国際開発協力の業務と並行して、グローバルヘルス関連の業務にも携わっています。
特にグローバルヘルスについては、現在日本政府に対するアドバイザリー業務に携わっており、グローバルヘルス領域へのインパクト投資を促進するためのイニシアティブにおいてプロジェクトマネジャーを務めています。
開発途上国と先進国との間には大きな健康格差が存在しており、近年では気候変動に伴う災害の甚大化や新型感染症の世界的な流行など、新たな課題も増えてきました。これらにも対応しつつ健康格差の是正を目指すことがグローバルヘルスのミッションであり、そのためにはODAなどの公的資金に加えて、民間資金の動員が不可欠です。そこで私たちは、こうした民間投資の重要性についての認知度を高めるためのイベントの開催や、インパクト投資を呼び込むための調査活動、専門家を招いてのワーキンググループの開催などを行っています。イベントはニューヨークの国連総会やダボス会議、2025年に横浜で開催されたTICAD(アフリカ開発会議)などの場でも行われました。海外でのイベント開催に際しては現地のKPMGの協力を仰いでおり、グローバルネットワークの強みを実感しています。
また、国際開発協力については、ウクライナ復興に向けて民間企業の進出を後押しするプロジェクトに携わっています。優れた技術を有する日本の中小・中堅企業がウクライナに進出することで、戦禍からの復興に弾みがつくと同時に、企業にとっても事業の発展が期待できるでしょう。私たちの行う伴走支援がウクライナ復興の力に結びつき、Win・Winの成果をもたらすことができればと願っています。とはいえウクライナはまだ戦時下ですし、具体的な成果はまだまだこれからですが、少しずつではありますが確かな手応えを感じながら取り組んでいます。
キャリアは自分で掴み取ればいい
私が途上国支援に関心を抱くようになった原点は、高校時代にあります。
当時私はシンガポールに暮らしており、現地の高校のプログラムでカンボジアの孤児院でのボランティアを体験しました。日本でいう修学旅行の代わりに、そのようなプログラムが設けられているのです。そこで私は開発途上国の貧困を目の当たりにして大きなショックを受け、将来は貧困や格差の解消に貢献する仕事がしたいと思うようになりました。同じ世代の恵まれない子供たちに接し、私たちは日本人として生まれたことで恵まれた生活を送っているからこそ、力を尽くさなくてはならないという責任を感じました。この想いが外務省への道へとつながり、そして今の仕事においても変わらずに生き続けています。あずさ監査法人での日々の業務には、高校時代からつながる「これがやりたかった」という実感があり、それが仕事に向き合う原動力となっています。
一方で、キャリアに対する考え方は大きく変わりました。よく言われるように、公務員のキャリアパスはある程度決められているところがあり、今後、自分がどのようにステップアップしていくか、先が見えていたように思います。それに対して今は、良い意味で先が見えません。というのも、成長は組織から与えられるものではなく、自分で切り拓き、掴み取るものだと思うようになったからです。自分の専門性を高めるために挑戦したいプロジェクトがあれば自分で獲得すればいいし、あずさ監査法人では、個々人の希望が尊重され、上司もサポートしてくれます。自分のキャリアを自分で決められることは、非常に大きな喜びです。
社会課題の解決に強い関心がある仲間とともに
働き方もずいぶん変わりました。現在は在宅でのリモートワークと出社を併用し、 以前は夫に頼っていた子供たちの保育園への送りお迎えや夕食の支度なども、今では分担できています。育児は大変ではあるものの、人生において今しかできない貴重な体験ですから、その大変さを楽しみながら毎日を過ごしています。
今後も引き続き途上国の開発課題の解決に貢献していきたいと考えています。公的な支援に加え、民間の資金をどのように動員していけるか、また、そのための官民連携の在り方については、とりわけ強い関心があります。前職で培った海外での経験も、こうした取組みにもきっと活きてくることでしょう。その結果、あずさ監査法人のパブリック領域における実績が拡大し、法人としての成長につながっていったら嬉しく思います。
パブリックセクターアドバイザリー事業部に所属しているのは、現在はキャリア入社の人材ばかりですが、その専門性やバックグラウンドは本当にさまざまです。しかしメンバーに共通しているのは、社会課題の解決に貢献したいという強い志。そんな強い想いをお持ちの方に、ぜひ仲間に加わっていただきたいと思います。
※記事の記載内容は、インタビュー取材時点のものとなります。