専門性×監査法人:AI・データ活用編
AIと専門知識を掛け合わせ、企業変革を支援する。
監査法人における、AI・データ活用専門家の仕事内容
アドバイザリー領域において、AIはクライアントの経営課題を解決し、企業変革を推進するための重要なテクノロジーとなっています。私たちは会計やガバナンス、リスク管理といった専門領域とAIやデータ分析の知見を組み合わせることで、企業の意思決定や業務プロセスの高度化を支援しています。
私たちがAIを活用する領域は、大きく「企業の経営基盤を支える領域」と「高度な専門性が求められる金融領域」の2つに分けられます。
まず、企業の経営基盤を支える領域では、会計や内部統制、ITリスク評価、IT統制といった分野において生成AIを活用し、クライアントを支援しています。
例えば内部統制報告制度(いわゆるJ-SOX)の枠組みの中で中心的な役割を担うのがELC(Entity Level Controls=全社的な内部統制)ですが、グローバル企業の親会社が海外子会社について内部統制上のチェックを行う際、現在でも表計算ファイルのやり取りで行われているというケースは決して珍しくありません。そうした状況を、AIを導入することでより効率的な仕組みづくりを支援していますが、会計・内部統制に関する専門性が求められるため、監査法人ならではの強みを発揮できる領域です。
また、人手で行っていた経理処理のチェックをAIで自動化したり、組織の公式見解であるポジションペーパーの作成をAIによって効率化したりといった取組みも行っています。AIは単なる業務効率化ツールではなく、企業のガバナンスやリスク管理を高度化するための重要なテクノロジーとして活用されています。
一方で、金融業界はAIや機械学習との親和性が極めて高い領域です。金融機関は膨大なデータを扱うだけでなく、与信判断や損失予測、リスク評価といった、AIが得意とするテーマを事業の根幹に抱えています。そのため金融業界はAIや機械学習の実用化という観点でも先行しており、高度な専門性が求められる案件が数多く存在します。
私たちは、監査法人として培ってきた会計・リスク管理・規制対応の知見を活かしながら、こうした金融業界の変革も支援しています。IFRS®会計基準導入などによって会計基準が変わる際の支援業務に加え、リスク管理の高度化や規制対応への支援など、会計以外の領域の支援も手がけています。これらは私たちが最も得意とする領域の1つです。
こうした支援の代表例の1つが、貸倒引当金の将来予測モデル高度化です。金融機関は、金融危機や景気動向に備えてあらかじめ損失分を予想し貸倒引当金を計上する必要があります。金融機関にとって貸倒引当金は自身の業績だけではなく会計処理の適切性にも関わる重要な論点ではあるものの、それらの精度の高い予測は難しく、課題として認識されています。そういった場面で、AIエンジニアはあずさ監査法人の会計士チームと協力しながら、AIを用いて将来予測モデルを開発するといったケースがあります。
また、AIの活用は予測モデルの高度化だけに留まりません。例えば、金融機関のベテラン職員が経験に基づいて行ってきた融資判断などについて、その脳の中にある判断プロセスや暗黙知を解き明かし、AIエージェントとして再現する取組みも進んでいます。個人に蓄積された知見を組織全体の資産へと変え、標準的なリスク管理ツールとして活用することで、業務の高度化を支援しています。
なぜ、監査法人なのか?
AIやデータ活用に関心のある方にとって、監査法人で働く大きな魅力の1つは、多様な業界やテーマに関わりながら専門性を広げていけることです。
例えば自動車メーカーのAIエンジニアであれば、自動運転など特定分野において高い専門性を身に付けていくことができるでしょう。一方で、あずさ監査法人では、金融業界はもちろん、製造業やサービス業など幅広い業界のクライアントに対して、AIを活用した課題解決や業務変革を支援しています。そのため、特定の業界にとどまらず、多様なドメイン知識を吸収しながら成長していくことができます。
もちろん、これは「広く浅く経験する」という意味ではありません。特定の業界やテーマにおいて深い専門性を徹底的に追求することもありますし、AIやデータ分析、AIガバナンスといった、さまざまな領域で共通して活用される専門的な手法を深く磨くこともできます。
また、AIエンジニアにとって業務知識(ドメイン知識)は欠かせないものですが、あずさ監査法人では会計や規制対応、リスク管理、内部統制といった各分野の専門家と日常的に協業することになります。顧客企業の業界知見のみならず、技術だけでは得られない知見を吸収しながら、自身の専門性をより広く、より深く高めていくことができる環境です。
監査法人は「市場の番人」と呼ばれ、市場の健全性を担保するという重い社会的使命を担っています。私たちがクライアントから高い信頼を得られるのも、こうした独立した第三者としての立場があるからです。
こうした信頼性を基盤として、現在は会計監査、経理財務、内部統制などの領域におけるAI活用を支援しています。さらに、AIの活用が広がる一方で、その判断の妥当性や透明性を担保する重要性も高まっています。今後は、クライアントが利用するAIシステムやAIエージェントの妥当性や信頼性を第三者として評価・保証する業務の拡大も期待されています。こうした新たな領域に挑戦できるのも、監査法人ならではの特長と言えるでしょう。
加えて、あずさ監査法人で働く魅力の1つに、安定した事業基盤が挙げられます。過去にJ-SOX関連の需要が一巡した際、コンサルティング業界では市場環境の変化による影響を受けたケースもありますが、あずさ監査法人は大きな影響を受けませんでした。これは、景気や市場動向に左右されにくい会計監査という安定的なコアビジネスを基盤とし、その上にアドバイザリービジネスが展開されているためです。
また、誠実・公正性を重んじる監査法人という組織に属することで得られる社会的信用や、成果が比較的ダイレクトに評価や処遇に反映されやすい環境も、あずさ監査法人で働く魅力です。
活躍できる人材、人材育成、求める人物像
求める人材については、①既にAIに対する技術的な知見を豊富にお持ちの方(技術系人材)と、②AIを活用した規制やガバナンス、第三者評価や保証業務のご経験をお持ちの方(非技術系人材)、の2つに分けて想定しています。
①の技術系人材については、生成AIのアプリケーションについてPoCから取り組んだご経験や、機械学習のAIモデルを開発したといったご経験を、特に高く評価しています。またAI経験がなくてもPythonを使ったプログラミング経験をお持ちの方も歓迎しています。
金融機関で年金数理や金融工学に携わっていたAI人材が、より広範囲なフィールドで技術力を磨き、AIのプロフェッショナルとして活躍したいと考えて、あずさ監査法人に転じてきたケース等があります。事業会社のドメインに縛られず、自分の領域を広げたいという思いの技術者には、特に魅力的な活躍の場が広がっています。
一方、②の非技術系人材については、現時点でAIに対する深い技術的知見をお持ちでなくても、ある業務課題に対して、どう効率化していくかを検討できる方や効率化検討の際に、抽象的な業務課題を具体化して要件定義ができる方はご経験を活かすことができます。例えばITのリスク評価のご経験等をお持ちであれば、その知見を活かして活躍することができるでしょう。あるいは会計システムの導入に携わったり、効率的な仕入れを実現するための調達システムの導入を推進したり、といったご経験も、十分に活かすことができます。
要するに、潜在的な課題を顕在化させ、その課題解決のためにツールとしてITを駆使した経験は、AIの領域においても十分に価値を発揮することができます。特にクライアントとの対話を通じて課題を整理し、あるべき姿を描きながらシステム導入や業務変革を推進してきたご経験は、AIとクライアントとの橋渡し役として大いに活かすことができます。
監査法人、あるいは業界に関する知見をまったくお持ちでない場合であっても、心配はいりません。
特徴としてお伝えしたいのが、まずは監査法人の職員として求められる倫理観や独立性、品質に対する妥協ない姿勢といった要素を、しっかりと身に付けていただくことからスタートするという点です。あずさ監査法人では「広く社会一般に対しても職業的専門家としての責任を果たすという、公共的使命を担う監査法人の構成員であることを自覚」するという倫理行動規範のもと、具体的な行動指針を定義しています。こういった基本的なスタンスから、研修を通じて身に付けていただきます。
会計・経理・財務やサステナビリティといった必須知識の習得や、リスク管理、規制対応、内部監査等の専門的な研修は、常時eラーニングで行われるほか、過去の研修がライブラリ化されています。これらの専門知識の習得についてのサポート体制は、業界内でも突出して充実していると自負しています。
こういった充実した教育研修制度をベースに、それぞれの能力や志向を加味したプロジェクトへのアサインとOJTを通じて、専門性をより高めていただきます。
専門性以上に重要な、人間力
あずさ監査法人が提供するアドバイザリーサービスは、自社のAIプロダクトを商品として販売・導入するのではなく、あくまでクライアントの課題解決のためのツールとしてAIを活用するというものです。だからこそ、クライアントとの接点を通じて潜在的な課題を掘り起こしていくコミュニケーション力・洞察力や、クライアントに深く入り込んで背中を押していくアグレッシブさが重要です。プレゼンテーション資料を作成する能力や、物事を構造化する能力といった、コンサルタントとしての基本的なソフトスキルも欠かせません。
さらにパーソナリティの面では、監査法人に課された社会的信頼性にふさわしい倫理観や誠実さ、自分を厳しく律する姿勢も、強く求められるでしょう。
本気で変革にチャレンジしたい方をお待ちしています
生成AIの登場によって、企業経営や業務プロセスのあり方そのものが大きく変わろうとしています。そうした変化のなかで、AIを活用してクライアントの変革を支援することは、あずさ監査法人に課せられた重要なミッションの1つです。
私たちは、AIに関する高度な技術的な知見をお持ちの方はもちろん、会計や内部統制、リスク管理、システム導入などの経験を通じて、企業の課題解決に携わってきた方にも大きな可能性があると考えています。AI時代においては、AIそのものの知識だけでなく、業界や業務に対する深い理解も重要になります。これまで培ってきた専門性がAI時代において大きな価値を発揮するケースは少なくありません。
あずさ監査法人には、業界やテーマに縛られることなく、幅広い領域でAI活用や企業変革に携わることができる環境があります。また、会計や規制対応、リスク管理といった専門家との協業を通じて、自分の専門性を更に広げ、深めていくこともできるでしょう。AIというテクノロジーの力で企業や社会の変革を後押ししたい。そんな思いをお持ちの方にこそ、あずさ監査法人でのチャレンジをお勧めします。