Consulting service

コンサルティング業界解説

コンサルティング業界と他の業界との違い

世の中には、「コンサルタント」と称される数多くの仕事が存在します。それは多くの企業が自社の商品やサービスを提供するにあたって、その商品やサービスを有効活用するための提案もあわせて行っているからです。つまり、自社の商品やサービスを販売するために必要なコンサルテーションの提供であり、そういった意味ではコンサルテーションの無い営業活動など存在しないと言えるかもしれません。

しかし一方で、KPMGのようなコンサルティング業界の企業は、そもそも固定化・パッケージ化された自社の商品やサービス自体を持っていません。具体的な商材(スペックが一定の商材)があるわけではなく、自らの専門的な知識や経験そのもの、意見やアイデア、解決方法、アドバイスなど、自分たちが持つ情報や知識そのものを提供しているという点が、他の業界の企業と大きく異なる点です。

つまり、特定の商品やサービスに頼らずに、専門家としてクライアントの課題解決そのものをサポートするということこそが、コンサルティングファームの最大の特長でもあります。パッケージ化された自社の商品・サービスを持たないということは、特定の商材を売らなければならないという制約が無いということを意味するため、クライアントに対して最良の提案ができるということにつながり、またそれがクライアントからの大きな信頼にもつながっているのです。
パッケージ化された自社の商品・サービスを持たないということは、「決まり切った答え」が無い、ということも意味します。クライアントが抱える多種多様な課題の解決方法は1つではありませんし、正解が決まっているわけでもありません。さまざまなアプローチから課題を考察し、クライアントにとってベストな提案ができることが、コンサルティングファームの強みでもあり、コンサルタントにとってのやりがいでもあります。

業界によるコンサルテーションの考え方の違い
コンサルティング業界
  • スペックが固定された(パッケージ化された)自社の商品やサービスを持たない
  • 自らの専門知識・スキル・経験そのものを提供して、クライアントの課題を解決
他の業界
  • 自社の商品やサービスを持っている
  • 自社の商品やサービスを有効活用するためのアドバイスを提供

コンサルティング業界の分類

コンサルティング業界に属する企業は、その成り立ちや専門領域、あるいは対象とするクライアントの業界や規模によって、分類することができます。
分類の切り口や方法はさまざまですが、例えば企業戦略のみを専門とする「戦略系」、IT戦略・導入を手がける「IT系」、組織制度や人事制度に特化した「組織・人事系」、M&A等を強みとする「財務系」、税を専門とする「税務系」、分野を問わず戦略の立案から実行までの流れにすべて関わる「総合系」などに細分されます。
多くのコンサルティングファームは特定の分野に特化しているため、大型のプロジェクトになると単独では対応しきれず、複数のコンサルティングファームが関わることも少なくありません。

KPMGは会計・監査法人からスタートしたため、「監査法人系」と呼ばれることもあります。しかしながら、会計や監査は企業活動の根幹でもあり、何をするにしても企業活動のすべてに関わってきます。その性格から、KPMGは必然的に幅広い分野を手がけるようになり、あらゆる案件にワンストップで対応できる体制を構築してきました。現在ではコンサルティング業界の分類を超えて、幅広い分野に対して網羅的・総合的にアドバイザリーサービスを提供できる数少ない存在となっています。

コンサルティング業界の分類例
コンサルティング業界の分類

KPMGのグローバルネットワーク

コンサルティング業界の中でも、グローバル案件に対応できるファームは数限られています。
国や地域によって、言語や文化はもちろんのこと、法制度や各種の規制、会計基準、税制、商習慣なども大きく異なります。企業活動がグローバル化し、国境を越えたクロスボーダー案件が増えていく中で、日本国内においてのみ特定の分野に精通しているというだけでは、対応しきれない案件も増えています。

KPMGはコンサルティング業界の中にあって、全世界規模のグローバルネットワークを持つ希有な存在であり、それ故にグローバル案件の取り扱いが可能な数少ないコンサルティングファームの1つです。